大橋くんと演技
「消しゴムをくれた女子を好きになった。」で初の単独主演を務め上げた大橋くん。
今回初主演ということと同じくらい大きく私の中で印象に残ったのが"大橋くんらしくない役"という部分だ。
今まで、'メンズ校'での藤木一郎、'俺かわ'での一ノ瀬圭のような大橋くんをモデルに描いたのか?と思うような元気で愛嬌いっぱいの役を演じることが多かった大橋くん。
個人的には、ミュージカル'リューン'での役、リューンダイや'少年たち'での柿本拓実も私は、芯の部分に悲しみを抱えながらも周りを明るくするように笑顔で振る舞う、という面で大橋くんらしい役だなと思ってきた
(ちなみに私が今のところ一番大橋くんと近いと思う役は'少年たち'の柿本くん、強くて冷たくて、優しい、あまりにも大橋くんだった)
話を戻して、
自分に似てる役が多いということは大橋くん自身も感じているようで、
なにわ男子みんなで出演させていただいた『メンズ校』というドラマの藤木一郎役も、最近の『俺の可愛いはもうすぐ消費期限⁉︎』の一ノ瀬圭役も、共感できたり、自分の性格と近いからお芝居できたと、少し思い込んでいた気がするんです。
J Movie Magazine 2022 vol.85
「自分の性格と近いからお芝居ができた」そんなふうに大橋くんが思うのには、"演じる"ことへのアプローチの仕方について林翔太くんとの対談でこう話していることからも理由が見えてくる
(演技について)僕は"なり切る"って言うより自分という軸があって、その軸にパーツを付けながらキャラクターを大きくしていくって感覚なんです。例えば陽気なキャラであればいつもの自分を誇張すればいい、静かな役やったら僕のなかにあるその部分を出してきて作る、みたいな。まだそれしかできひんから、そのやり方をしているんですけど…。
"自分じゃない"っていう感覚がまだ俺には分からないんですよね…。例えばアニメの原作があって、なり切るべきだなって思う作品をすることになったとしたら、僕の今のやり方では演じられへんのちゃうかなと思ってて。今まで演じてきた役も「大橋くんみたい」って言われることが多いから、それでは通用しないような…憑依せな表現できない、自分のなかにはないような役をやってみたいです。
ステージスクエア 2021.4.27
これは'消し好き'どころか'俺かわ'よりももっと前、一年以上前の'ジモダン'が放送中の頃の大橋くんの話だ。
自分の役へのアプローチに悩みつつ、試行錯誤をしていた大橋くん
そしてついにそこに舞い込んできた初単独主演であり、良くも悪くも人間らしい、福田悠という大橋くんとは似ても似つかない役。
福田は素直になれない、周りに流される、
宅飲みの寝起きに流れでキスして「じゃあ…」みたいなノリで付き合ったり、彼女がいるのに隠れて他の女性と何度もデートしたりする。
意志、よわよわ人間である。
大橋くんも福田という役についてこう話している
福田悠は、自分やったらこう考えるけど福田はちょっと違う、みたいなことが多いんですよ。それで苦戦している部分もあれば、勉強になっている部分もあります。
(福田悠のなかに入っている大橋くんは何%か聞かれて)
20〜30%くらいかな。わちゃわちゃするのは自分と似ている部分だけど、それ以外の恋愛の部分だったり、恥ずかしがったりする部分だったり……っていうのは、まったく僕とは違うな、って。
mini 2022.10月号
そりゃそうだ。大橋くんといえば、道徳のお手本のような、菩薩のような、芯が強くそれでいて柔らかい、普通の人間からすると見ていて眩しいくらい人間力の高い人だ。
それに加えて、小2の頃からこの世界にいて、小学校の頃でさえ毎日ダンスの習い事漬けで夏休みもなく、友達と遊んだ記憶も数回だという大橋くんからしたら別世界の話だろう。
正直、福田はこっち側の人間。
こんな皮肉たっぷりに福田のことを書いたけど、正直、大学生以降の年齢の人なら大半の人が身に覚えのあるような、ドラマとは思えないほどリアルで自分の黒歴史を思い出すような、そんなふうに共感してしまうからこそ福田に嫌悪感を覚えるんじゃないかと私は大学生編を観ていた。
だらしなくてダメダメだった頃の自分を見ているようで嫌になるヒリヒリ感。
ananでは、大橋くん自身もスタッフさん(つまりこちら側の人たち)と自分との見てきた景色の違いについて話している
スタッフさんたちは台本を読んで共感するポイントがめっちゃ多いと言っていたんですが、僕は小2からこういう仕事をしていたせいか、わからないことが多くて。"そうか、みんなはこういう経験をしてるんやな〜"って、日常生活や人生に起きる出来事を作品の中で体験できている気がします。
anan 2022.6.29号
性善説代表のような大橋くんが福田に似ている、理解できると言うほうが違和感がある。
人間味をほとんど感じないほどに普段怒ったり悲しんだり余裕のない部分を見せないし、情緒の波もない常に筋が通っててブレない強さが自分には到底手の届かない領域で眩しい太陽をつかむような存在の大橋くんが、
弱くてブレブレでリアルすぎる誰しも自分の弱い部分とか甘えの部分と照らし合わせて見たくない自分の過去を見ているような同族嫌悪を感じる福田を演じているという、
そんな違和感に、福田という役よりも当たり前だけど大橋くんを見てきた時間の方が圧倒的に長い私はやっぱり動揺は覚えた
ずるいところも、脆いところも、
大橋くんは福田という役を演じているだけなのに、
大好きな大橋くんに嫌悪感を抱いてしまいそうな、自分と同じだと身近に感じてしまいそうなほどに、
"大橋和也"ではなく、"福田悠"にちゃんと見えたし、一視聴者として物語に感情移入してしまっていた
私にとって大橋くんは自分が見て来た人の中で最も清らかで正しい人なので
人間のだらしなさやずるさを演じることは清らかな大橋くんには咀嚼するのが難しくあったのではと思うけど
自分が自分から切り離れて演じることがまだできないと自覚していてそれを払拭したいという思いから理解できない役をやりたいと語っていたことを思うと
今回の役は今までで一番大橋くんから遠く、目標である自分と切り離して演じるということの第一歩になったのではないかと思った
福田悠は、自分とはまったく違うキャラクターだから、演じるのが難しくもあり、楽しいんです。
演じるとなると自分と違う性格の役は、すごく難しいなと感じています。たとえば台本を読んでいて"僕だったらこう動くのに福田は違うんだな"と思う部分があると、彼がどうしてそういう行動をとるのかを理解するまで、演じるのが不安になってしまったりするんです。自分とは違う思考や行動を、お芝居で表現するのはすごく難しいので、わからない部分は監督、キャストの皆さんに相談しながら演じています。
今回は、僕と全く違う思考を持つ福田を理解しようとすればするほど、初めて知るような感情が生まれてくるので、それをナチュラルにお芝居で表現したいという欲求も生まれてきているように思います。これが達成できたら、今後もっと役を演じることを楽しめるし、作品に迷いなく飛び込めるんじゃないかなと思うんですよね。そういう意味でも、今回すごくいい経験をさせてもらっているなと感じています。
J Movie Magazine 2022 vol.85
インタビューで、こんなにも演技についてしっかりとした明確な意思表示や先を見据えた考えを話せている時点で大橋くんが'消し好き'の現場で一皮も二皮も剥けて、役者としてステップアップしていることは明白だが、
実際、一緒にドラマを作り上げたスタッフさん方から口を揃えて"成長した"と言われていたことがより一層大橋くんの努力を示している
https://twitter.com/shindora_ntv/status/1551117838928121856?s=21
第一話が放送されてすぐのツイート
撮影はもうすでに全て終わっていたのだが、
"ここからどんどん表情が変わっていく姿にも是非ご注目ください"
このときはこの文章の意味がわからなかった
https://twitter.com/shindora_ntv/status/1574370967564201985?s=21
そしてこれが最終話直前のツイート
このときには話数が進むにつれて顔つきが変わっていくのを肌で感じていたから最初のツイート、そしてこのツイートの言葉がすんなり入ってきた
そして、監督やカメラマンさんが口を揃えて大橋くんの変化について語っているのを目にして、担当フィルターではない、勘違いでもない、やっぱり大橋くんはこの作品を通して明らかに変わったんだと痛感した
https://twitter.com/kusanokid/status/1574441666181992449?s=21
https://twitter.com/tngc_tngc10/status/1574263369535627265?s=21
これはあくまで私の個人的な感覚だけど、とくに最終回の大橋くんの演技は今までの大橋くんの演技より一段も二段も上をいく、あまりにも自然であり訴えかけるような演技で本当に驚いた。見たことない大橋くんだった。
それまでの大橋くんが演技が上手くなかったとかそういうわけではなくて、それでも、明らかに前とは違う大橋くんだった。
失礼すぎるほどに言葉を選ばずに、ドラマをリアルタイムで観ていた時の私の感想をそのまま書くと、
「あれ?これ、誰?本当に大橋くん?」
である。
期待してなかったとかそういうことではなくて、成長の速度にいつも脳が追いつけない。
ダンスだって歌だってそう、
コンサートでいつも感動して大橋くんの凄さを目の当たりにして帰っているはずなのに
翌年、ダンスと歌のうまさに改めて新鮮に驚くのだ
ずっとこれの繰り返し
前見た時ももうこれ以上ないってくらいうまかったのに、どこにまだ伸びしろがあって、そしてどんな速度で技術を伸ばしてくるの?!と驚きっぱなしの大橋担人生。
今回それに演技が加わった。
'俺かわ'が、主演の山田くんが5/24にクランクアップしていることから5月中旬辺りに大橋くんが一ノ瀬圭くんをクランクアップしているとして、
'俺かわ'と'消し好き'、撮影被っていたのかそうでないのかはわからないけど、
7/10の'消し好き'クランクアップまでざっと1ヶ月半といったところだろうか、
ツアーリハや歌番組の出演と同時にこなしていたのかと思うと、
そんな短期間で、人ってこんなに吸収して、成長するんだと驚きが隠せない。大橋くんの吸収力どうなってるんだ。
最終回でこんな気持ちを味わえるなんて思ってもみなかった。
バッドエンドが大好きでハッピーエンドが全く刺さらない私が、最終回観ながらハッピーエンドを切に願ってしまっていた。
絶対泣ける!と謳う作品でも情緒の波一切なく観るような私が、中学から順にずるすぎるほどに入れられる回想シーンに目が潤んでいた。
それは大橋くんが一つひとつのシーンで何かを学んで福田が歳を重ねるように大橋くんも経験値を重ねていった証だったから、それも含めて心が動かされたんだと思う。
正直、'俺かわ'決まった頃もまだ、大橋担として大橋くんのことをバラエティ班という目で見ていた。ほんと今考えれば恥ずかしい。大橋くんの可能性を勝手に脳内で制限していたのはファンである私だった。
大橋くん本人も'俺かわ'出演が決まった頃はまだまだ驚きのほうが大きかったようで、こう話していた。
「ホンマに俺?!」ってビックリしたけど、めっちゃうれしかったです!
ずっと演技のお仕事に挑戦したいと思っていたので、今、ドラマの現場に行ってお芝居をさせてもらえていることがすごくうれしくて楽しいです!実は、マネージャーさんにも『お芝居のお仕事がしたいです』って話していたんです。夢が一つかないました。
そんな中、'俺かわ'も中盤というタイミングで次クールでの単独主演というビッグニュースが飛び込んできた。
突然の演技仕事ラッシュに、え?ってなった。
でも今そのときの感情が嘘かのように役者としての大橋くんへの見る目が変わった。本当に頼もしく、主演を演じきった。やってのけた。
'俺かわ'出演から、休む暇なく'消し好き'で主演を務め上げて多くの人の大橋くんへの役者としての印象を半年足らずで変えてみせたことだろう。
この成長は、'消し好き'で自分とはかけ離れた役を与えられたことも鍵となっているが、その直前に'俺かわ'にて山田くんとの共演があったことも大きな要素となったと思う。
先ほどから言っているように、'俺かわ'で大橋くんの演じた一ノ瀬圭という役は大橋くんそのままなのでは?と思うほどに大橋くんに近い役どころだった。でも、主演の山田くんからは再三こう言われ続けていた。
山田くん:大橋くんが持っている明るさやかわいさをどのように芝居で表現していくのかが楽しみです。
大橋くん:大橋和也に見えないようにってことですよね。
山田くん:そう。『まんま大橋くんじゃん!』って思われないように。
山田くんと大橋くんの対談で何度も目にした、「一ノ瀬と似ているとしてもそのままではダメ」という指摘。
それを受けて大橋くんも、
今まで舞台に立たせてもらったことはあるけど、映像のお芝居をやる機会はあまりなかったし、現場にはメンバーや関西Jr.の仲間がおって。今回みたいに1人やと、いろいろと考えてしまう。映像のお芝居は小さな動きで感情を表現することもできるし、舞台と違った難しさがあって。1つずつ学んでいるところです。
関西弁はOKと言われてるけど、なるべく標準語を意識して関西弁はなくすつもり。山田くんにも「新しい大橋が見たい」って言われているし、"絶対に標準語でいこう"って自分の中で決めてるねん。
テレファンクロス
'俺かわ'では今まで通り、自分と近い役ということは変わりなかったが、山田くんという大きなお手本を目にして大橋くんの進化は始まっていたのだ。
そんな'俺かわ'を完走し、息つく間もなく走り出した'消し好き'での初主演。そこでも山田くんから教わったことは活きていた。
(2人の親友役について、ともに関西ジャニーズという近い存在なので、親友という関係性を作りやすかったのではと話を振られたとき)
そこに役柄としての関係値をプラスしていかないといけないので、もともとの関係性に甘えないように意識しています。
と答えている。
近いように見えてもそのままでいいわけではない、似ているということに甘えないことを'俺かわ'で山田くんからのアドバイスで学んで、吸収したことを今回のドラマでも忘れずに意識しているように思えて、着実なステップアップを感じた
このように、素直に人の話を聞くこと、それを自分のものにすること、そしてそれを次に活かすこと、これが大橋くんの類稀なる成長力を支えている強みなのではと思う。
大橋くんは、アイドルがする多様な仕事の中で「自分はこれが自信があるから」とか「これが一番興味があるから」とかでそれを突き詰めて自分の代表的な武器にする、というよりも「アイドルだから全部ができる姿を見せたい」そんなように感じる。
(今、いろいろなお仕事に挑戦していますが、特にどれが楽しい?)
どれが好きっていう感情はないんですよね。全部好き!って思っちゃうし、選べないです。バラエティ、ドラマ、映画、舞台もミュージカルもなんでも挑戦したい。どれかひとつに寄るんじゃなくて、全部の分野に出たいですね。
(破竹の勢いの活躍と促されても)
自分が売れているとは思わないけど、移動時間は常に台本を読んでいたりするので、"たくさんお仕事させてもらってるな〜"と感じる時も。でも、まだまだ、もっともっと仕事がしたいです。ファンの皆さんにいろんな自分をお見せしたいなって思うと、まだ個人ではCMに出たことないし、映画も出てない。やっていないことがいっぱいあるから、どんどん新しいことに挑戦していきたいですね。
欲張りなようにもみえるが、歌もダンスもバラエティもそして演技も、全てで目に見える結果を残してくるから大それた夢には思えなくなる。
できそうな気がしてくる。
実際、このインタビューの後、個人でのCMが立て続けに2本決まっている。
着実にやりたいことを叶えていっている。
(自分の中で設定しているゴールや成し遂げたいと思う野望)
今は決めてません。それを考えると、達成した時に"何しよう?"ってなっちゃう。ゴールを設定するより小さい目標をいっぱい決めて、そこに集中した方がいい。
やっぱり、一緒にお仕事したいと思う人間にならんとあかんなって。僕はもともと愛嬌がないタイプなんですけど、自分が楽しいって思っていたら一緒におる人も見ている人も楽しんでくれる気がするんです。それが愛嬌みたいなものに繋がってくるんかな、と。なので、とにかく全てを楽しもうって思っています。
そもそも愛嬌がない人はそんな思考にはならない。大橋くんは冷静さと愛嬌が共存しているだけで、もともと配慮からくる愛嬌が溢れんばかりにある人だ。本人気づいてないけど。
書きたいこと思うままに書いてたら話が広がりすぎちゃったけど(ごめん)
とにかく、
今回の'消し好き'という作品を通して
たくさんのシーン、いろんな感情、
この短期間で、にこにこ歌番組に出たりふわふわな日刊書いてくれてる裏側で
こんなにもたくさんの経験をして、一皮も二皮も剥けて殻を破っている大橋くんの姿にものすごく感動した。
撮影が楽しい!!!!!!
あとはすごく毎日が勉強で一皮剥けた自分をお見せできるように頑張ります😘
2022.5.26 日刊
完成されたドラマだけを観てもこんなにたくさんのシーンを、と思うのだから
台本を覚えて、練習して、リハして、何テイクも撮って、の1シーン1シーンの積み重ねだと思うと
ヒリヒリしたシーンでさえキラキラして見えた
努力の結晶ってこういうことを言うんだろうなと思った
大橋くんのチャレンジがたくさん積み重なってできたドラマ。
もうとっくに撮り終えて、
ケロッとコンサートしてるけど
MCで相変わらずぽわぽわしてるけど
ブログで体重が580kgになったりしてるけど
変わってないけど変わってる
確実に前見ていた大橋くんよりも大きく大きくなった大橋くんだ
そう思って見るコンサートも一味違うものとなる
これからも、大橋くんに近い役も、大橋くんからかけ離れた役も、たくさんの姿を見せてほしい
いつもとても期待しているのに、それを余裕で超えてきて驚かせてくれる大橋くんが誇らしくて大好きだ
おしまい